離婚協議書作成(雛形・サンプルあり)

離婚協議書サンプル

離婚協議書作成にあたって一般的なものを解説していきます。

元になる文章は次のものです。

文章たたき台

離婚協議書

夫:○○(以下「甲」という。)と妻:○○(以下「乙」という。)とは、次の通り合意した。

第1条 (協議離婚)
甲及び乙は、協議離婚することに合意し、離婚届に各自署名押印の上、平成○年○月○日までに届出をする。

第2条 (親権)
甲及び乙は、前条の離婚に際し、甲乙間に生まれた未成年の子:○○(平成○年○月○日生まれ、以下「丙」という。)の親権者を乙と定め、乙が丙を引き取り、監護・養育する。

第3条 (財産分与)
甲は乙に対し、本件離婚による財産分与として、下記物件目録記載の不動産を譲渡し、平成○年○月までに、乙のために離婚届が受理された日付の財産分与を原因とする所有権移転登記手続きをする。ただし登記手続き費用は乙の負担とする。
不動産の表示(省略)

第4条 (年金分割)
1. 甲及び乙は、平成20年4月1日より前の婚姻期間中の乙の3号被保険者期間における甲の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)の按分割合を2分の1とすることに合意し、平成20年4月1日以降の婚姻期間中については、3号分割制度を利用して甲の厚生年金記録を2分の1ずつ分割する。(甲:生年月日○○、基礎年金番号○○、乙:生年月日○○、基礎年金番号○○。)
2. 甲及び乙は、前項に関する手続きについて、日本年金機構の所定規定に従い協力して行うものとする。

第5条 (養育費)
1. 甲は乙に対し、丙の監護・養育費用として、平成○年○月から、丙が大学(4年制大学のほかに短期大学、専門学校を含む。)を卒業(退学を含む。)するまで(ただし、満22歳に達する日の属する月を限度とする。)、月額金○万円也を毎月末日(当該日が金融機関の休業日に当たるときは、前営業日とする。)限り、甲の指定する次の金融機関の預金口座に振り込みにより支払う。
○ ○ 銀行○ ○ 支店 普通○ ○ ○ ○
2. 前項の場合において、丙が大学に進学しなかった時は、甲は、丙が満20歳に達する日の属する月まで、前項と同様の方法により支払う。
3. 甲及び乙は、前項に定める養育費のほか、丙のために他特別の出費が必要となった場合には別途協議する。また、養育費は物価の変動その他事情の変更に応じて甲乙協議のうえ増減できるものとする。

第6条 (慰謝料)
甲は乙に対し、離婚による慰謝料として、金○○万円を平成○年○月○日までに、乙の指定する口座に振り込んで支払う。
指定口座

第7条 (面接交渉)
乙は甲に対し、甲が二カ月に一回程度、丙と面接交渉することを認める。面接交渉の日時、場所、方法は、丙の福祉を害することのないよう互いに配慮し、事前に協議決定する。

第8条 (確定効)
1. 甲及び乙は、本協議書をもって甲乙間の離婚に関する紛争を全て解決したものとし、本協議書に定めるほかには慰謝料・財産分与等名目の如何を問わず、一切の財産的請求をしない。
2. 甲及び乙は、本日現在、本協議書に定めるほか相互に何らの債権債務のないことを確認する。

第9条 (秘密保持)
甲及び乙は、本協議書の内容及び存在についての情報は、善良なる管理者の注意をもって取扱い、事前に書面により相手方の同意を得ることなく、当事者以外の第三者に開示又は漏洩してはならない。

第10条 (強制執行認諾)
甲及び乙は、本協議書に基づく金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服することを認諾する。

第11条 (公正証書)
甲及び乙は、平成○年○月○日までに本協議書を内容とする公正証書を作成することを合意し、相互に公正証書手続きに協力する。

第12条 (準拠法・合意管轄)
本協議書は日本法に基づき解釈されるものとし、甲乙間の協議によっても、本協議書に関する紛争が円満に解決できない場合は、甲及び乙は、訴額のいかんにかかわらず、乙の住所地を管轄する家庭裁判所、地方裁判所又は簡易裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

上記の通り合意したので、本書二通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ各自一通ずつ所有する。

平成   年   月   日

甲:住所

氏名                               ㊞

乙:住所

氏名                               ㊞

ファイル

上記の文章が記載されているファイルです。これを利用していただいてもかまいません。
wordicon16px離婚協議書サンプル

pdficon16px離婚協議書サンプル

解説

順を追って解説していきます。

表題及び前文

離婚協議書

夫:○○(以下「甲」という。)と妻:○○(以下「乙」という。)とは、次の通り合意した。

離婚協議書はこの書類の題名ですが、題名が書面の内容に影響することはないとされています。

そのため、題名は「離婚協議書」でなくてもかまいません。

「合意書」でも「協議書」でも、単に「契約書」でも内容が離婚の条件を記載していれば離婚協議書になります。

甲や乙の定義も必須ではありません。

逐一夫や妻の名前を記載してもいいですが、便利なので定義付けしてしまうことが多いです。

定義付けでは

(以下、「甲」という。)

甲である○○

というように記載しているものも見られます。

どれも問題ありませんが、法令などを見ても(以下「甲」という。)とするのが一般的です。

離婚

第1条 (協議離婚)
甲及び乙は、協議離婚することに合意し、離婚届に各自署名押印の上、平成○年○月○日までに届出をする。

離婚は、協議離婚・調停離婚・裁判離婚と種類がありますが、協議書を作成して離婚に合意している場合は協議離婚になります。

離婚は協議書を作成した段階で成立するものではありません。

離婚届を提出することが必要です。(届出主義)

例文のように届け出の期限を定めてもいいでしょうし、届け出を行う人を定めておいてもいいです。

親権

第2条 (親権)
甲及び乙は、前条の離婚に際し、甲乙間に生まれた未成年の子:○○(平成○年○月○日生まれ、以下「丙」という。)の親権者を乙と定め、乙が丙を引き取り、監護・養育する。

子供がいる場合、親権を定める必要があります。

通常は母親のほうに定めることが多いですが、父親に定めることも可能です。

子供が複数いる場合に親権を分けることも認められています。

親権について争う場合に監護権を定めることもありますが、監護権を定めた場合はそのことも記載しておくとよいでしょう。

子供の生年月日を書くのは、養育費との関係で支払期限が明確になる利点があるためですが、必須というわけではありません。

子供が複数いる場合は、丙・丁・戊と続きます。

子供はこの協議書の当事者では無いことを考えると、丙丁戊ではなくABCなどとしてもいいでしょう。

財産分与

第3条 (財産分与)
甲は乙に対し、本件離婚による財産分与として、下記物件目録記載の不動産を譲渡し、平成○年○月までに、乙のために離婚届が受理された日付の財産分与を原因とする所有権移転登記手続きをする。ただし登記手続き費用は乙の負担とする。
不動産の表示(省略)

夫婦の共有財産の分割方法を定めます。

例文では不動産をあげていますが、預金や自動車、バイク、貴金属などの動産も含まれます。

また、負の財産であるローンについても定めることが多いです。

作成にあたっては対象をきちんと特定すること、分配をどのようにするか誤解のないように定めることが重要です。

例文にあるように不動産などについては登記、自動車については登録など、ここに記載する以外の手続きが予定される場合がありますので、そのことも記載しておくといいでしょう。

なお、財産分野の支払いと養育費の支払いを相殺する規定を設けたいと希望される方がいますが、養育費がもともと子供のためのための権利であるので、規定しても効果は認められない可能性が高いです。

年金分割

第4条 (年金分割)
1. 甲及び乙は、平成20年4月1日より前の婚姻期間中の乙の3号被保険者期間における甲の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)の按分割合を2分の1とすることに合意し、平成20年4月1日以降の婚姻期間中については、3号分割制度を利用して甲の厚生年金記録を2分の1ずつ分割する。(甲:生年月日○○、基礎年金番号○○、乙:生年月日○○、基礎年金番号○○。)
2. 甲及び乙は、前項に関する手続きについて、日本年金機構の所定規定に従い協力して行うものとする。

年金分割を記載する協議書が増えています。

ただ注意が必要なのは、記載しただけで分割されるわけではないということです。

離婚届提出から2年以内に、日本年金機構(公務員の場合は、所属する共済組合)で手続きを取ってください。 

なお、「国民年金」は分割されません。分割されるのは「厚生年金」と「共済年金」です。

 

合意分割制度の合意書は、年金事務所に備え付けの「年金分割合意書」を利用することも可能です。

養育費

第5条 (養育費)
1. 甲は乙に対し、丙の監護・養育費用として、平成○年○月から、丙が大学(4年制大学のほかに短期大学、専門学校を含む。)を卒業(退学を含む。)するまで(ただし、満22歳に達する日の属する月を限度とする。)、月額金○万円也を毎月末日(当該日が金融機関の休業日に当たるときは、前営業日とする。)限り、甲の指定する次の金融機関の預金口座に振り込みにより支払う。
○ ○ 銀行○ ○ 支店 普通○ ○ ○ ○
2. 前項の場合において、丙が大学に進学しなかった時は、甲は、丙が満20歳に達する日の属する月まで、前項と同様の方法により支払う。
3. 甲及び乙は、前項に定める養育費のほか、丙のために他特別の出費が必要となった場合には別途協議する。また、養育費は物価の変動その他事情の変更に応じて甲乙協議のうえ増減できるものとする。

養育費は高校卒業、成人又は大学・専門学校卒業までと自由に規定できます。

最近では大学卒業までと記載される方が多いです。

養育費の具体的額については東京・大阪の裁判官が作成した算定表を基礎にして定める場合が多いです。

こちらのファイルを参考にしてみてください。

pdf

養育費算定表

 

慰謝料

第6条 (慰謝料)
甲は乙に対し、離婚による慰謝料として、金○○万円を平成○年○月○日までに、乙の指定する口座に振り込んで支払う。
指定口座

精神的損害のことですが、例えば不貞行為を原因に離婚するような場合、厳密に言えば不貞行為に関する慰謝料と離婚に関する慰謝料は別次元のものとして考えられます。

事実上はまとめて考えることも多く、離婚協議書の上では単に慰謝料として記載されますが、離婚に向けての話し合いの過程では区別して議論されるといいでしょう。

支払いについては、1回払いや分割払いなど様々に規定することができます。

分割払いであれば担保・連帯保証人をとってもいいでしょうし、期限の利益喪失約款をつけてもいいでしょう。

面接交渉

第7条 (面接交渉)
乙は甲に対し、甲が二カ月に一回程度、丙と面接交渉することを認める。面接交渉の日時、場所、方法は、丙の福祉を害することのないよう互いに配慮し、事前に協議決定する。

面接交渉であったり面会交流などと表現されることもあります。

離婚して子供と暮らせしていない親が、子供と会うことができる権利です。

ここで面接交渉の条件を定めます。

頻度や場所、時間などを定める場合が多いです。

争いになった場合、調停などでも子供の意思を第一に尊重して定めるとされていますが、事実上養育費を支払う方の希望なども加味して定められることが多いです。

最近では、ここに祖父母の面接交流権を定めることも多くなっています。

確定効

第8条 (確定効)
1. 甲及び乙は、本協議書をもって甲乙間の離婚に関する紛争を全て解決したものとし、本協議書に定めるほかには慰謝料・財産分与等名目の如何を問わず、一切の財産的請求をしない。
2. 甲及び乙は、本日現在、本協議書に定めるほか相互に何らの債権債務のないことを確認する。

離婚についてはこれ以上も争わないと言う規定です。

離婚協議書を締結する重要な意味であり効果がこの規定にあらわれているといえます。

必ず入れるようにしてください。

秘密保持

第9条 (秘密保持)
甲及び乙は、本協議書の内容及び存在についての情報は、善良なる管理者の注意をもって取扱い、事前に書面により相手方の同意を得ることなく、当事者以外の第三者に開示又は漏洩してはならない。

強制執行認諾

第10条 (強制執行認諾)
甲及び乙は、本協議書に基づく金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服することを認諾する。

公正証書を作成する場合にはこの規定を盛り込みます。

この規定が入った公正証書であれば、勝訴判決と同じく強制執行力が与えられ、例えば養育費の支払いなど金銭債務の不履行があった場合は、裁判をしなくても強制執行が可能となります。

強制執行認諾文言を入れる場合は金銭債務の支払期限を明記するようにしましょう。

公正証書

第11条 (公正証書)
甲及び乙は、平成○年○月○日までに本協議書を内容とする公正証書を作成することを合意し、相互に公正証書手続きに協力する。

公正証書を作成する場合は、離婚協議書にこのような文言をいれます。

公正証書を作成する期限を明記してもいいでしょうし、どちらかが公正証書の作成を希望した場合はそれに応じるというような規定もみられます。

管轄等

第12条 (準拠法・合意管轄)
本協議書は日本法に基づき解釈されるものとし、甲乙間の協議によっても、本協議書に関する紛争が円満に解決できない場合は、甲及び乙は、訴額のいかんにかかわらず、乙の住所地を管轄する家庭裁判所、地方裁判所又は簡易裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

確定効の条文で離婚問題についてこれ以上争わないと規定しましたが、離婚協議書の内容の実行について争われる場合が生じます。

例えば養育費の支払い自体については争いがないものの、支払いがされないような場合です。

このような場合は確定効があるから争えないというわけではなく、離婚協議書締結後の新たな問題ということになり、争えることになります。

この規定はそのような場合に対応する規定です。

後文

上記の通り合意したので、本書二通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ各自一通ずつ所有する。
平成   年   月   日
甲:住所
氏名                               ㊞
乙:住所
氏名                               ㊞

最後で署名して押印します。

離婚協議書が複数枚に渡る場合は契印を押しておくといいでしょう。

その他

上記の内容は離婚協議書に記載される一般的なものです。

離婚協議書は契約書の1種ですから、上記の内容に限定されることはなく、当事者である夫婦の間で定めておきたいことはどのような内容も基本的には盛り込むことができます。

規定する場合は自由に記載してかまいませんが、お互いに誤解のないように分かりやすい言葉で詳しく記載することが重要です。

使用上の注意

行政書士さん行政書士さん

このページに記載されている原案や解説はあくまで一般的なものです。

自由にご利用いただいて構いませんが、作成したものについてこちらが責任を負う事は致しかねます。

作成にあたって不安に思われる点がある場合は当事務所又は専門家にご相談ください。

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