① そもそもどういう助成金なの?

キャリアアップ助成金とは、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下「有期契約労働者等」といいます。)の企業内でのキャリアアップ等を促進した場合に交付される助成金です。

正社員化コースは、その中で有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等をした場合に認められます。

簡単に誤解を恐れずに言うと、アルバイトから正社員に変更した場合などにもらえる助成金です。

② いくらもらえるの?

次の金額が助成金額です。

<>は生産性の向上が認められる場合の額、( )内は大企業の額

① 有期 → 正規:1人当たり57万円<72万円>(42万7,500円<54万円>)

② 有期 → 無期:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<27万円>)

③ 無期 → 正規:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<27万円>)

①~③合わせて1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は15人まで

③ どういう流れでもらえるの?

大まかに言うと

キャリアアップ計画の提出→支給申請となります。

④ 事前に理解しておいたほうがいいこと(重要)

1雇用保険適用事業所の事業主であることが前提です

雇用保険に加入していることが前提になります。

労働者が一人もいない場合は助成金をもらうことができません。

労働者を一人でも雇っていれば、雇用保険の加入手続が必要です。

パートでも一人雇えば加入手続きが必要ですので、その点確認してください。

2助成金申請前にキャリアアップ計画の承認が必要になります

事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いてキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受ける必要があります。

キャリアアップ管理者は労働者、役員、事業主がなることができます。ただし、事業所ごとに定めなければならず、兼務することはできません。

3転換前に6か月、転換後に6か月勤務して申請になります

正社員化の転換の制度を定めたらすぐに助成金がもらえるというわけではありません。

原則として6か月以上(例外的に訓練制度の場合に3ヶ月の場合もあります。)雇用されている労働者を転換し、例えば正社員にした上で6か月以上継続して雇用し賃金を支払ってから助成金の申請になります。

それらの支払いを行ったことを証明する資料の提出が必要です。

4基本給を5%以上upさせる必要があります(有期→無期転換の場合に限ります。)

処遇を同じにしておいて、契約期間を有期から無期にしたり、単純に正社員と指定するだけでは助成金は得られません。

基本給を5%以上upさせる必要があります。

5%以上upしているか判断する算出方法は次のとおりです。

ケース1: 転換等前・転換等後の給与がともに[月給]の場合

転換等前の月給(基本給)× 1.05 ≦ 転換等後の月給(基本給)

ケース2: 転換等前の給与が[時給]、転換等後の給与が[月給]の場合

転換等前の時給(基本給)× 転換等後の所定労働時間 ×(年間を通じて最長の月の営業日数)× 1.05 ≦ 転換等後の月給(基本給)

ケース3: 転換等前の給与が[時給]、転換等後の給与が[日給]の場合

転換等前の時給(基本給)× 転換等後の所定労働時間 × 1.05≦ 転換等後の日給(基本給)

ケース4: 転換等前の給与が[日給]、転換等後の給与が[月給]の場合

転換等前の日給(基本給)× 23(年間を通じて最長の月の営業日数)× 1.05≦ 転換等後の月給(基本給)

※これ以外の算出方法で、基本給が5%以上増額していることを証明することも認められます。

5就業規則に特定の条項が必要になります

労働者が10人未満の事業所は就業規則作成義務がないのが原則ですが、キャリアアップ助成金(正社員化コース)を受給するためには就業規則が必要になります。

また、その就業規則には特定の条項を入れる必要があります。

例としては次のような条項になります。

第○条(正規雇用への転換)

勤続○年以上の者又は有期実習型訓練修了者で、本人が希望する場合は、正規雇用に転換さ せることがある。
2 転換時期は、毎年原則4月1日とする。
3 所属長の推薦がある者に対し、面接及び筆記試験を実施し、合格した場合について転換する こととする。

第○条(無期雇用への転換)

勤続○年未満の者で、本人が希望する場合は、無期雇用に転換させることがある。
2 転換時期は、毎年原則4月1日とする。
3 所属長の推薦のある者に対し、面接及び筆記試験を実施し、合格した場合について転換する こととする。

第○条(派遣社員からの採用)

会社は、派遣社員を、本人が希望する場合は、正規雇用又は無期雇用として採用することがあ る。
2 採用時期は、毎年原則4月1日とする。
3 所属長の推薦のある者に対し、面接及び筆記試験を実施し、合格した場合について採用する こととする。

第○条(勤務地限定正社員への転換)
勤続○年以上で、所属長が推薦し、本人が転換を希望する正社員以外の者については、面接 及び筆記試験を実施し、合格した場合について勤務地限定正社員に転換することができる。 転換時期は、毎年原則4月1日とする。

第○条(職務限定正社員への転換)

勤続○年以上で、所属長が推薦し、本人が転換を希望する正社員以外の者については、面接 及び筆記試験を実施し、合格した場合について職務限定正社員に転換することができる。 転換時期は、毎年原則4月1日とする。

第○条(短時間正社員への転換) 勤続○年以上で、所属長が推薦し、本人が転換を希望する正社員以外の者については、面接 及び筆記試験を実施し、合格した場合について短時間正社員に転換することができる。 転換時期は、毎年原則4月1日とする。

※ 転換の手続き、要件、実施時期を必ず規定する必要があります。

なお、就業規則作成(チェック・修正変更を含む)だけを当事務所にご依頼いただくことも可能です。

詳しくはこちらを御覧ください。

就業規則作成・変更業務(全国対応)

6申請できる期間は2ヶ月間です

転換したらいつ申請してもいいというわけではありません。

転換または直接雇用した対象労働者に対し、正規雇用労働者、無期雇用労働者としての賃金を6か月分支給した日の翌日から起算して2か月以内に申請しなければなりません。

7何人でも請求できます(上限あり)

転換した労働者一人ごとの助成金なので、複数申請できます。

ただし、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は15人までです。

8親族を雇う場合など認められない場合があります

労働者が次の場合に助成金は認められません。

  • 過去3年以内に正規雇用労働者として御社に雇用されたことがある
  • 事業主または取締役の3親等以内の親族である者
  • 直接雇用日前に御社の子会社等に正規雇用されたことがある者

⑤ 必要書類は?(一般的な例)

  1. 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
  2. 支払方法・受取人住所届
  3.  管轄労働局長の確認を受けたキャリアアップ計画書
  4. 転換制度または直接雇用制度が規定されている労働協約または就業規則その他これに準ずるもの
  5.  転換後または直接雇用後に対象労働者が適用されている労働協約または就業規則※上記4と同じである場合を除く
  6. 対象労働者の転換前または直接雇用前および転換後または直接雇用後の雇用契約書又は労働条件通知書等(船員法(昭和22年法律第100号)第32条の規定により船員に対して明示しなければならない書面を含む。)労働条件が確認できる書類
  7. 対象労働者の賃金台帳または船員法第58条の2に定める報酬支払簿※転換前6か月分(転換日の前日から6か月前の日(有期実習型訓練修了者については有期実習型訓練の開始日)までの賃金に係る分)及び転換後6か月分(転換日から6か月経過する日までの賃金に係る分)又は直接雇用後6か月分(直接雇用を開始した日から6か月経過する日までの賃金に係る分)
  8. 対象労働者の出勤簿、タイムカードまたは船員法第67条に定める記録簿等出勤状況が確認できる書類※対象労働者について、転換前6か月分(有期実習型訓練修了者については有期実習型訓練の開始日から転換日の前日までの分)及び転換後6か月分または直接雇用後6か月分
  9. 中小企業事業主である場合、中小企業事業主であることを確認できる書類
  10. 若者雇用促進法に基づく認定事業主における35歳未満の者を転換または直接雇用した場合の支給額の適用を受ける場合は、若者雇用促進法に基づく認定事業主に係る基準適合事業主認定通知書及び基準適合事業主認定申請書の写し

助成金に関する当事務所のサービス

業務案内

当事務所では助成金に関して次のサービスを提供しています。

  1. 申請書類作成(全国対応) 30,000円(税別)
  2. 就業規則作成(チェック・変更含む、全国対応) 30,000円(税別)
  3. 完全代行成功報酬(滋賀・京都のみ) 取得した助成金の20%(6万円に満たない場合は6万円)−着手金(3万円)

詳しくはこちらを御覧ください。

助成金申請業務

特徴など

1をご依頼いただいた場合は、こちらが用意した資料を持ってハローワークに行き、申請手続きを行って下さい。申請後の補正などについても対応します。1のみのご依頼の場合は就業規則はご自身でご用意下さい。

2をご依頼いただいた場合は、それを持ってハローワークに行っていただき、申請書類などのアドバイスを受けて申請を行って下さい。2のみのご依頼の場合は申請書類はこちらで作成しません。ハローワークで相談して作成していただければと思います。

3はこちらで申請手続き及び補正まで行います。

3には就業規則作成も含まれますが、1には就業規則作成は含まれません。

ご依頼の際に用意していただくもの

1申請書類作成又は3完全代行をご依頼の場合でも次の資料はお客様にご用意頂きます。

  • 就業規則(2をお申込みの場合は不要)
  • 転換前と転換後の雇用契約書または労働条件通知書等労働条件が確認できる書類
  • 転換前6か月分と転換後6か月分の賃金台帳
  • 転換前6か月分と転換後6か月分の出勤簿またはタイムカード
  • 登記事項証明書

申請時の豆知識(注意点など)

ここに記載する事項については、地域によって差がある場合もあります。不確かな情報としてお読みいただくといいかと思います。

正社員コースで、正社員にのみ賞与を与えるなど違いがあるといいと指導された例があると聞きました。

キャリアアップ計画書の提出ですが、キャリアアップ計画期間の始期と同日でもかまわないようです。(事前に提出しなければならないのではと思い、1日でもずれなければならないと思ったのですが…。)

計画書記載時に間違いが多いものとしては、常時雇用する労働者に事業主を数にいれてしまうものだそうです。事業者は使用者ですので労働者にはあたりません。ご注意下さい。

計画書の内容の変更手続きですが、計画書を出してすぐの場合は補正手続きですみ、計画認定された後が変更手続きになるようです。できるだけ補正で済むようにしたいものです。(もちろん補正すらない方がいいですが。)

参考サイト

「キャリアアップ助成金パンフレット」

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