業務委託契約書作成時に検討する21項目

はじめに

hirameki_womanここでは、当事務所が業務委託契約書を作成する場合に置く一般的な規定について説明していこうと思います。

一般的なもので、これ以外の条文規定を置いてはいけないということはありません。

また、最低限必要というものでもありません。

一般的にこのような内容の規定を置く場合が多いという程度ですので、そのつもりでお読みください。

1 表題

これは「業務委託契約書」とするのが通常でしょう。

もちろんプロジェクト名を入れてもいいかと思います。

2 前文

当事者を明らかにします。

○○(以下「甲」という。)と○○(以下「乙」という。)とは、以下の通り契約する。

という感じになります。

3 業務委託

核心部分です。

業務委託する内容を定めます。

甲は、乙に対し、本契約に定める条件に従って次の各号に定める業務(以下「委託業務」という。)を乙に委託し、乙はこれを受託する。

として、具体的な内容を書きます。

具体的内容が決まっていなければ協議の上で定めると規定する場合が多いです。

4 納入

売買契約の時などには必ずといっていいほど入りますが、業務委託の場合はあまり必要がないかもしれません。

例えば

「乙は、別に定める納期を遵守し、その期日に甲の定める方法により甲の指定する場所に成果物を納入する。」

などという感じで規定します。

5 検査

納入の規定と自然とリンクするかと思います。

例文としては

「 甲は、成果物の納入日から起算して14営業日以内(以下「検査期間」という)に甲乙間で定めた検査条件に基づき検査し、その結果を乙に通知する。」

検査規定には担保責任の規定とリンクします。

担保責任として損害賠償、解除、修補のうちどの範囲で責任を負うかということを具体的に規定します。

6 報酬及び支払い

報酬又は代金についてはどのような契約書においても中心的規定になるかと思います。

報酬については具体的に決めます。

支払い方法ついては月末締め、翌月末日までの銀行振込、振込手数料は甲の負担というように条件を決めておくといいでしょう。

支払い遅滞の場合の利息、遅延損害金についても念のため定める場合も見られます。

7 業務の報告等

業務委託、委任はお互いの信頼に基づいた形で業務を行いますので、重要なのは報告です。

報告については次のように定める場合が見られます。

「乙は、甲に対して所定の方法により委託業務の遂行状況等について報告する。

前項にかかわらず、甲は、必要があると判断した場合には、乙に対して委託業務の遂行状況等の報告を求め、又は検査を行うことができる。」

8 権利及び地位の譲渡等

契約者の地位を甲と乙に特定するための規定です。

業務委託に限らずほとんどの契約書に規定されます。

例文としては

「甲及び乙は、本契約に基づく一切の権利、義務及び地位を相手方の承諾なしに、譲渡、転貸、担保差入その他形態を問わず処分することはできない。」

というような感じです。

9 再委託の禁止

権利及び地位の譲渡等の規定に盛り込む場合も見られますが、業務委託では再委託だけ別に定める例が多いかもしれません。

例文は次の通りです。

「乙は、委託業務の全部又は一部を、第三者に再委託する場合には、甲の承諾を得るものとする。」

10 知的財産権等

例えばウェブ関連の業務委託ですとどうしても著作権がらみが問題になることが多いです。

そのような場合に著作権系統の規定を置きます。

著作権については27,28条を別に規定するようにして下さい。

例文としては次のようになります。

「本契約に関して生じた特許権、商標権等の産業財産権、著作権(著作権法第27条及び第28条に規定されている権利を含む)等の知的財産権、その他の権利(以下「知的財産権等」という。)は、乙に帰属するものとする。」

必要によっては著作者人格権の規定を設けるといいです。

11 機密保持

企業間はもちろんのこと、個人情報についての重要性が認識されている昨今ですので、ほとんどの契約書で規定されます。

機密保持のみで契約を交わすことすらあります。

例文は

「甲及び乙は、本契約に関して相手方から開示又は提供された個人情報、顧客情報、企業情報、その他すべての情報(以下「機密情報」という)を善良なる管理者の注意をもって取扱い、事前に書面により相手方の同意を得ることなく、本契約の目的以外に使用し、又は第三者に開示又は提供してはならない。」です。

これとは別に秘密保持期間を規定してもいいかと思います。

12 反社会的勢力の排除

暴力団関係の排除に関しての規定です。

様々な契約に盛り込まれることが多くなってきました。

モデル例は警察庁のwebページを参考にされるといいかと思います。

売買契約書のモデル条項例の解説 – 警察庁

13 禁止事項(競業避止)

いろいろと契約内容に合わせて禁止事項を挙げていかれるといいかと思います。

競業避止規定を盛り込む場合も多いです。

一般的な禁止規定は次のようになります。

「1. 乙は、甲の顧客と委託業務又は委託業務に類似する業務につき直接取引又は直接取引を目的とした営業行為を行ってはならない。

2. 甲及び乙は、次の各号に定める行為を行ってはならない。

(1) 本契約の定めに違反する行為又はそのおそれのある行為

(2) 法令の定めに違反する行為又はそのおそれのある行為

(3) 相手方又は第三者を誹謗中傷し、又は名誉を傷つけるような行為

(4) 相手方又は第三者の財産、名誉・プライバシーを侵害し、又は侵害するおそれのある行為

(5) 相手方の業務を妨害する行為

(6) 公序良俗に反する内容の情報、文書及び図形等を他人に公開する行為

(7) その他相手方が不適切と判断する行為」

14 損害賠償

一般的な内容としては次の例文になります。

「甲及び乙は、相手方が本契約に違反した場合、これにより被った通常損害の賠償を相手方に請求できる。」

これに加えて損害賠償の上限を定めたり、過失責任を変容させたりする場合もあります。

15 契約の解除

規定しなくても法律上の解除(民法543,545条等)はできますが、確認的意味であったり任意的な内容を盛り込んで解除規定を定める場合が多いです。

よくみられる例文としては次のようなものです。

甲又は乙は、相手方に次の各号に定める事由のいずれかが生じたときは、何らの催告なしに直ちに本契約を解除することができる。

(1) 背信行為があったとき

(2) 支払の停止又は仮差押、差押、破産の申し立てがあったとき

(3) 手形交換所の取引停止処分を受けたとき

(4) 公租公課の滞納処分を受けたとき

16 準拠法・合意管轄

準拠法はほとんどの場合日本法になるかと思います。

合意管轄については、専属的なのか付加的なのかを明記しておくといいです。

地方裁判所のみを定めておく例が見られますが、丁寧に簡易裁判所まで規定しておくものも見られます。

17 協議

契約書に定めがないこと、争いになったことは協議するという内容ですが、このような定めはなくても法律上当然です。

ただ、ほとんどの契約書に規定されているように思われます。

例文は次の通りです。

「本契約に定めのない事項及び本契約の解釈に疑義が生じた場合については、甲、乙双方誠意をもって協議し、その解決にあたるものとする。」

18 契約期間

定めない場合もありますが、多くの場合自動更新の規定があります。

例文は

「本契約の契約期間は、○年○月○日から○年間とする。ただし、契約期間満了日の○ヶ月前までに当事者の一方から書面による別段の意思表示がない場合は、本契約は自動的に○年間延長されるものとし、以降も同様とする。」

です。

19 後文

  • 何通作成するか
  • 誰が署名するか
  • 誰が保持するか

などを書きます。

20 日付

意外に忘れがちな重要事項です。

きちんと記載するようにして下さい。

21 署名

これも最重要事項です。

最後に

以上の項目を検討していただくと一般的な業務委託契約書になるかと思います。

最初にも説明しましたが、以上に挙げた項目は必要不可欠なものというわけではなく、必要十分なものというものでもありません。

それぞれの業務委託の内容に応じて適切な形で利用してください。

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