契約書2部

ある日の相談

A さん
契約書の最後に「本契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各1通を保持する。」って書きますよね?
行政書士 さん
はい。いわば常套句ですね。
A さん
これって絶対ですか?
行政書士 さん
えっ?どういうことでしょう?
A さん
いやぁ…例えば1通作成とすると法律違反になるのかなあと思って。2部作るにしても1部はコピーだと駄目なんでしょうか。
行政書士 さん
そんなことないですよ。
A さん
そもそもなんで2通なんですか?メリット・デメリットってあります?
行政書士 さん
えっとですね…。以下解説しますね。

そもそも契約書とは

契約書は文字を見ると契約と書に分かれます。

書は大辞林では「書き記したもの。書物。文書。」と説明されています。

では「契約」は何かというと、法律的には「意思表示の合致」と説明されます。

まとめると、意思表示が合致したことを書き記したものが契約書ということになります。

そうなると、契約書は2通作成しなければならないと強制されているものではないことになります。

契約書はいらない?

このように、契約自体は書面の作成とは関係なく意思表示の合致で成立します。

そのため、理論的には書面を作成しなくても契約は成立します。

もちろん実際は言った言わないの争いになるので、契約内容の重要性が上がれば上がるほど、契約書の必要性も上がります。

理論的には契約書は必須ではありませんが、契約書を作成しないことはあまりオススメしません。

何故契約書を作成するのか

少し触れましたが、契約書を作成する意義はやはり「証拠」になるということです。

契約書を作成しないと後々意思表示の合致があったこと自体や意思表示の合致の内容について言い分が違った場合に、何が正しいのか分からなくなってしまいます。

契約書があれば、少なくとも記載されている内容で合意したことは明らかになります。

(もちろん記載内容の解釈を巡って争いになることはありますが。)

この証拠という点が契約書作成の一番のメリットと言えます。

(裏返して言えば書面をいちいち作成しなければならない煩雑さがデメリットと言えます。)

1部では駄目か

契約書を作成することのメリットは証拠となるということですが、そのメリットを最大限引き出そうとすればやはり2部作成することがオススメです。

1部のみ作成してどちらかが保存するとなると、保存している側が変造することが可能になってしまうからです。

各自が原本となるものを保存しておくということが証拠の効能を出すために重要ということになります。

印紙との関係

以上のように理想論的には2部作成することがいいとはなります。

しかし、何事にもメリットがあればデメリットがあり、2部作成することのデメリットは、容易に気付くこととしては、作成が面倒ということです。

印刷することやいちいち印をもらうことはやはり面倒といえます。

それに加えて印紙との関係でデメリットになります。


No.7120 契約書を複数作成した場合の課税関係|印紙税その他国税|国税庁契約書を複数作成した場合の課税関係

国税庁のサイトです。

 

国税庁のサイトの重要部分を抜粋します。

写し、副本、謄本などと表示された文書であっても、おおむね次のような形態のものは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかですから、印紙税の課税対象になります。

  1. 契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方の署名又は押印があるもの
  2. 正本などと相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの

一つの契約について2通以上の文書が作成された場合であっても、その全部の文書がそれぞれ契約の成立を証明する目的で作成されたものであれば、すべて印紙税の課税対象となります。

ここから分かることは、印紙を貼らなければならないような契約書は2通作成したら2通分の印紙が必要となることが原則だということです。

ただし、原則よりも例外に注目しておく必要があります。

同じページには

所持する文書に自分だけの印鑑を押したものは、契約の相手方当事者に対して証明の用をなさないものですから、課税対象とはなりません。

契約書の正本を複写機でコピーしただけのもので、上記のような署名若しくは押印又は証明のないものは、単なる写しにすぎませんから、課税対象とはなりません。

同じく、ファックスや電子メール等により送信する場合も正本等は送付元に保存され、送付先に交付されておらず、送付先で出力された文書は写しと同様であり、課税対象とはなりません。

とあります。

この点を利用して、1部のみを契約当事者で署名押印し、残りはコピーをとった上で所持し合うということになれば、証拠としての機能と印紙代の節約、2部作成する煩雑さの回避ということになります。

契約書作成に関連する投稿記事

契約書に関連する基礎知識などについては以下のような投稿記事を作成しています。

行政書士 さん
数が多くなってきていますが、まずお読みいただくものとしては「契約書を作成する前に意識しておきたいことのまとめ」がオススメです。

当事務所のサービス及び関連ページ

当事務所では通常の契約書は15,000円(税別)で作成しています。

契約書作成業務

業務委託契約書・業務提携契約書・委任契約書についても同様15,000円(税別)です。

業務委託契約書作成

お問い合わせ

初回相談・お見積りは無料です。

お気軽にお問い合わせ下さい。

tabutton

電話は077-535-4622(平日9時〜18時のみ)

メールはumisora76@gmail.comまでお願いします。