マイナンバーの概略について

マイナンバーとは

nurseman_question「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年法律第27号。以下「番号法」といいます。)に基づく社会保障・
税番号制度(以下「番号制度」という。)のことをいいます。

社会保障、税及び災害対策の分野における行政運営の効率化を図り、国民にとって利便性の高い、公平・公正な社会を実現するための社会基盤とすることを目的として導入されました。

全ての事業者が対象です

番号法に似た法律として個人情報保護法がありますが、この法律は、対象者である個人情報取扱事業者の範囲について、個人情報データベース等を事業の用に供している者(国の機関、地方公共団体、独立行政法人等及び地方独立行政法人を除く。)であって、個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数(同法施行令で定める者を除く。)の合計が過去6か月以内のいずれの日においても5,000を超えない者以外の者としています。

それに対して番号法は制限がありません。

全ての事業者が番号法の適用を受けます。

マイナンバーの利用は制限されています

個人情報保護法は、個人情報の利用目的についてできる限り特定 (個人情報保護法第15条)した上で、原則として当該利用目的の範囲 内でのみ利用することができるとしていて(同法第16条)、個人情報を利用することができる事務の範囲については特段制限していません。

これに対し、マイナンバーを定める番号法においては、個人番号を利用することができる範囲について、社会保障、税及び災害対策に関する特定の事務に限定 しています(番号法第9条)。

また、本来の利用目的を超えて例外的に 特定個人情報を利用することができる範囲について、個人情報保護法 における個人情報の利用の場合よりも限定的に定めています(番号法第 29条第3項、第32条)。

さらに、必要な範囲を超えた特定個人情報ファイルの作成も禁止しています(同法第28条)。

たとえ本人の承諾を得たとしても自由にマイナンバーを利用することは認められないわけです。

事業者は、社員の管理のために、個人番号を社員番号として利用することはできません。

事業者が、講師に対して講演料を支払った場合において、所得税法第225条 第1項の規定に従って、講師の個人番号を報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書に記載して、税務署長に提出するためにマイナンバーを求めることは可能です。

従業員等が、所得税法第194条第1項の規定に従って、扶養親族の個人番号を扶養控除等申告書に記載して、勤務先である事業者に提出するためにマイナンバーを求めることは可能です。

安全管理措置等が厳格に求められます

個人情報保護法は、個人情報取扱事業者に対して、個人データに関 する安全管理措置を講ずることとし(個人情報保護法第20条)、従業者の監督義務及び委託先の監督義務を課しています(同法第21条、第22 条)。

マイナンバーを定める番号法においては、これらに加え、全ての事業者に対して、個人番号(生存する個人のものだけでなく死者のものも含む。)について安 全管理措置を講ずることとされています(番号法第12条)。

また、個人番号関係事務又は個人番号利用事務を再委託する場合には委託者による再委託の許諾を要件とする(同法第10条)とともに、 委託者の委託先に対する監督義務を課しています(同法第11条)。

全ての事業者を対象とした点、再委託も含めて委託者が受託者に監督義務を課している点で厳格さまが増したと言えます。

特定個人情報の提供制限等(本人確認が必要)

個人情報保護法は、個人情報取扱事業者に対し、個人データについ て、法令の規定に基づく場合等を除くほか、本人の同意を得ないで、 第三者に提供することを認めていません(個人情報保護法第23条)。

マイナンバーを定める番号法においては、特定個人情報の提供について、個人番号の利用制限と同様に、個人情報保護法における個人情報の提供の場合よりも 限定的に定めています(番号法第19条)。

また、何人も、特定個人情報 の提供を受けることが認められている場合を除き、他人(自己と同一の世帯に属する者以外の者をいう。同法第20条において同じ。)に対し、個人番号の提供を求めることはできません(同法第15条)。 さらに、特定個人情報の収集又は保管についても同様の制限を定めています(同法第20条)。

なお、本人から個人番号の提供を受ける場合には、本人確認を義務付けている(同法第16条)。

罰則も厳格に

日本国外において違反した場合に適用される罰則もあり(同法第76条)、また、法人(法人でない団体で代表者 10 又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項目において同じ。)の 代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従 業者が、その法人又は人の業務に関して、特定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、罰金刑が科される場合もあります(同法第77条第1項)。

参考資料

ガイドライン

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具体例(ガイドラインから抜粋)

事業者は、社員の管理のために、個人番号を社員番号として利用してはならない。

事業者が、講師に対して講演料を支払った場合において、所得税法第225条 第1項の規定に従って、講師の個人番号を報酬、料金、契約金及び賞金の支払調 書に記載して、税務署長に提出することは個人番号関係事務に当たる。

従業員等が、所得税法第194条第1項の規定に従って、扶養親族の個人番号 を扶養控除等申告書に記載して、勤務先である事業者に提出することも個人番号 関係事務に当たる。

〈当年以後の源泉徴収票作成事務に用いる場合〉 前年の給与所得の源泉徴収票作成事務のために提供を受けた個人番号につい ては、同一の雇用契約に基づいて発生する当年以後の源泉徴収票作成事務のため に利用することができると解される。

〈退職者について再雇用契約が締結された場合〉 前の雇用契約を締結した際に給与所得の源泉徴収票作成事務のために提供を 受けた個人番号については、後の雇用契約に基づく給与所得の源泉徴収票作成事 務のために利用することができると解される。

〈講師との間で講演契約を再度締結した場合〉 前の講演契約を締結した際に講演料の支払に伴う報酬、料金、契約金及び賞 金の支払調書作成事務のために提供を受けた個人番号については、後の契約に基 づく講演料の支払に伴う報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書作成事務のため に利用することができると解される。

〈不動産の賃貸借契約を追加して締結した場合〉 前の賃貸借契約を締結した際に支払調書作成事務のために提供を受けた個人 番号については、後の賃貸借契約に基づく賃料に関する支払調書作成事務のため に利用することができると解される。

(利用目的の変更が認められる場合) 雇用契約に基づく給与所得の源泉徴収票作成事務のために提供を受けた個人番 号を、雇用契約に基づく健康保険・厚生年金保険届出事務等に利用しようとする 場合は、利用目的を変更して、本人への通知等を行うことにより、健康保険・厚 生年金保険届出事務等に個人番号を利用することができる。

事業者甲が、事業者乙の事業を承継し、源泉徴収票作成事務のために乙が保有 していた乙の従業員等の個人番号を承継した場合、当該従業員等の個人番号を当 該従業員等に関する源泉徴収票作成事務の範囲で利用することができる。

事業者は、従業員等の個人番号を利用して営業成績等を管理する特定個人情報フ ァイルを作成してはならない。

事業者から従業員等の源泉徴収票作成事務について委託を受けた税理士等の受託 者についても、「個人番号関係事務実施者」に該当することから、個人番号関係事務を処理するために必要な範囲で特定個人情報ファイルを作成することができる。

事業者甲が従業員等の源泉徴収票作成事務を事業者乙に委託している場合、乙は、 委託者である甲の許諾を得た場合に限り、同事務を別の事業者丙に委託することが できる。

更に再委託をする場合も、その許諾を得る相手は、最初の委託者である。 したがって、個人番号関係事務又は個人番号利用事務が甲→乙→丙→丁と順次委 託される場合、丙は、最初の委託者である甲の許諾を得た場合に限り、別の事業者丁に再委託を行うことができる。更に再委託が繰り返される場合も同様である。 なお、乙は丙を監督する義務があるため、乙・丙間の委託契約の内容に、丙が再 委託する場合の取扱いを定め、再委託を行う場合の条件、再委託した場合の乙に対 する通知義務等を盛り込むことが望ましい。

従業員等の給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等に伴う給与 所得の源泉徴収票、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等の作成事務の場 合は、雇用契約の締結時点で個人番号の提供を求めることも可能であると解される。

非上場会社の株主に対する配当金の支払に伴う支払調書の作成事務の場合は、所 得税法第224条第1項及び同法施行令第336条第1項の規定により支払の確定の都 度、個人番号の告知を求めることが原則であるが、当該株主が株主としての地位を 得た時点で個人番号の提供を求めることも可能であると解される。

地代等の支払に伴う支払調書の作成事務の場合は、賃料の金額により契約の締結 時点で支払調書の作成が不要であることが明らかである場合を除き、契約の締結時 点で個人番号の提供を求めることが可能であると解される。

事業者は、給与の源泉徴収事務を処理する目的で、従業員等に対し、個人番号の 提供を求めることとなる(番号法第19条第3号に該当)。一方、従業員等の営業成 績等を管理する目的で、個人番号の提供を求めてはならない。

「提供」に当たらない場合 事業者甲の中のX部からY部へ特定個人情報が移動する場合、X部、Y部はそれ ぞれ甲の内部の部署であり、独立した法的人格を持たないから、「提供」には当た らない。例えば、営業部に所属する従業員等の個人番号が、営業部庶務課を通じ、 給与所得の源泉徴収票を作成する目的で経理部に提出された場合には、「提供」に は当たらず、法令で認められた「利用」となる。

「提供」に当たる場合 事業者甲から事業者乙へ特定個人情報が移動する場合は「提供」に当たる。同じ 系列の会社間等での特定個人情報の移動であっても、別の法人である以上、「提供」 に当たり、提供制限に従うこととなるため留意が必要である。例えば、ある従業員 等が甲から乙に出向又は転籍により異動し、乙が給与支払者(給与所得の源泉徴収 票の提出義務者)になった場合には、甲・乙間で従業員等の個人番号を受け渡すこ とはできず、乙は改めて本人から個人番号の提供を受けなければならない。

同じ系列の会社間等で従業員等の個人情報を共有データベースで保管しているよ うな場合、従業員等が現在就業している会社のファイルにのみその個人番号を登録 し、他の会社が当該個人番号を参照できないようなシステムを採用していれば、共 有データベースに個人番号を記録することが可能であると解される。

上記の事例において、従業員等の出向に伴い、本人を介在させることなく、共有 データベース内で自動的にアクセス制限を解除する等して出向元の会社のファイル から出向先の会社のファイルに個人番号を移動させることは、提供制限に違反する ことになるので、留意する必要がある。 一方、共有データベースに記録された個人番号を出向者本人の意思に基づく操作 により出向先に移動させる方法をとれば、本人が新たに個人番号を出向先に提供したものとみなすことができるため、提供制限には違反しないものと解される。なお、 この場合には、本人の意思に基づかない不適切な個人番号の提供が行われないよう、 本人のアクセス及び識別について安全管理措置を講ずる必要がある。 また、本人確認については、「行政手続における特定の個人を識別するための番 号の利用等に関する法律施行規則」(平成26年内閣府・総務省令第3号。以下 「番号法施行規則」という。)第4条又は代理人が行う場合は同施行規則第10条 に従って手続を整備しておけば、本人確認に係る事務を効率的に行うことが可能と解される。

市区町村長(個人番号利用事務実施者)は、住民税を徴収(個人番号利用事務) するために、事業者に対し、その従業員等の個人番号と共に特別徴収税額を通知 することができる。

事業者(個人番号関係事務実施者)は、所得税法第226条第1項の規定に従 って、給与所得の源泉徴収票の提出という個人番号関係事務を処理するために、 従業員等の個人番号が記載された給与所得の源泉徴収票を2通作成し、1通を税 務署長に提出し、他の1通を本人に交付することとなる。

事業者の従業員等(個人番号関係事務実施者)は、所得税法第194条第1項 の規定に従って、扶養控除等申告書の提出という個人番号関係事務を処理するた めに、事業者(個人番号関係事務実施者)に対し、その扶養親族の個人番号を記 載した扶養控除等申告書を提出することとなる。

本人は、給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等のために、 個人番号関係事務実施者である事業者に対し、自己(又はその扶養親族)の個人 番号を書類に記載して提出することとなる。

事業者が、源泉徴収票作成事務を含む給与事務を子会社に委託する場合、その 子会社に対し、従業員等の個人番号を含む給与情報を提供することができる。

甲社が乙社を吸収合併した場合、吸収される乙社は、その従業員等の個人番号 を含む給与情報等を存続する甲社に提供することができる。

客が小売店で個人番号カードを落としていった場合、その小売店は警察に遺失 物として当該個人番号カードを届け出ることができる。

個人情報保護法第25条に基づく開示の求め、同法第26条に基づく訂正等の求め 又は同法第27条に基づく利用停止等の求めにおいて、本人から個人番号を付して 求めが行われた場合や本人に対しその個人番号又は特定個人情報を提供する場合は、 番号法第19条各号に定めはないものの、法の解釈上当然に特定個人情報の提供が 認められるべき場合であり、特定個人情報を提供することができる。

事業者の給与事務担当者として個人番号関係事務に従事する者が、その個人番 号関係事務以外の目的で他の従業員等の特定個人情報をノートに書き写してはな らない。

事業者の中で、単に個人番号が記載された書類等を受け取り、支払調書作成事務 に従事する者に受け渡す立場の者は、独自に個人番号を保管する必要がないため、 個人番号の確認等の必要な事務を行った後はできるだけ速やかにその書類を受け渡 すこととし、自分の手元に個人番号を残してはならない。 例えば、事業者が講師に対して講演料を支払う場合において、講師から個人番号 が記載された書類等を受け取る担当者と支払調書作成事務を行う担当者が異なると きは、書類等を受け取る担当者は、支払調書作成事務を行う担当者にできるだけ速 やかにその書類を受け渡すこととし、自分の手元に個人番号を残してはならない。 なお、個人番号が記載された書類等を受け取る担当者も、個人番号関係事務に従 事する事業者の一部として当該事務に従事するのであるから、当該個人番号により 特定される本人から当該書類等を受け取る際に、当該書類等の不備がないかどうか

事業者は、給与の源泉徴収事務を処理する目的で、従業員等の個人番号を保管す ることができる(番号法第19条第3号に該当)。一方、従業員等の営業成績等を 管理する目的で、従業員等の個人番号を保管することはできない。

雇用契約等の継続的な契約関係にある場合には、従業員等から提供を受けた個人 番号を給与の源泉徴収事務、健康保険・厚生年金保険届出事務等のために翌年度以 降も継続的に利用する必要が認められることから、特定個人情報を継続的に保管で きると解される。なお、従業員等が休職している場合には、復職が未定であっても 雇用契約が継続していることから、特定個人情報を継続的に保管できると解される。 土地の賃貸借契約等の継続的な契約関係にある場合も同様に、支払調書の作成事 務のために継続的に個人番号を利用する必要が認められることから、特定個人情報 を継続的に保管できると解される。

扶養控除等申告書は、所得税法施行規則第76条の3により、当該申告書の提出 期限(毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日まで)の属する年の翌年1月10 日の翌日から7年を経過する日まで保存することとなっていることから、当該期間 を経過した場合には、当該申告書に記載された個人番号を保管しておく必要はなく、 原則として、個人番号が記載された扶養控除等申告書をできるだけ速やかに廃棄し なければならない。 そのため、個人番号が記載された扶養控除等申告書等の書類については、保存期 間経過後における廃棄を前提とした保管体制をとることが望ましい。

給与所得の源泉徴収票、支払調書等の作成事務のために提供を受けた特定個人情 報を電磁的記録として保存している場合においても、その事務に用いる必要がなく、 所管法令で定められている保存期間を経過した場合には、原則として、個人番号を 31 できるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならない。 そのため、特定個人情報を保存するシステムにおいては、保存期間経過後におけ る廃棄又は削除を前提としたシステムを構築することが望ましい。

健康保険組合が被保険者の被扶養者の認定を行う場合には、被保険者は、事業 主を通じて健康保険組合に対し、被扶養者に係る課税(非課税)証明書、年金額 改定通知書等の写しを提出する必要がある(健康保険法施行規則第38条等)が、 情報提供ネットワークシステムを通じて、被扶養者の年間収入額、年金受給額の 提供が行われた場合には、被保険者は被扶養者に係るこれらの添付書類を提出す る必要がなくなる。