就業規則各規定項目解説3

安全衛生及び災害補償について

規定項目

  • whiteman3_question(遵守事項)
  • (健康診断)
  • (健康管理上の個人情報の取扱い)
  • (安全衛生教育)
  • (災害補償)

などを定めます。

注意点

退職金制度は必ず設けなければならないものではありませんが、設けたときは、適用される労働者の範囲、退職金の支給要件、額の計算及び支払の方法、支払の時期などを就業規則に記載しなければなりません。

労働者の同意がある場合には、本人が指定する銀行その他の金融機関の口座へ振込により支払うことができます。また、銀行その他の金融機関が支払保証した小切手、郵便為替等により支払うこともできます。

退職金制度を設けたときは、退職金の支払に充てるべき額について金融機関と保証契約を締結する等の方法により保全措置を講ずるよう努めなければなりません(賃金の支払の確保等に関する法律(昭和51年法律第34号)第5条)。ただし、中小企業退職金共済制度や特定退職金共済制度に加入している場合はその必要はありません。

安全衛生及び災害補償について

規定項目

  • (遵守事項)
  • (健康診断)
  • (健康管理上の個人情報の取扱い)
  • (安全衛生教育)
  • (災害補償)

などを定めます。

注意点

安全衛生及び災害補償に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項に当たりますのでこれらの定めをする場合には、必ず就業規則に記載しなければなりません。

安衛法によって、一定の業種及び労働者数が一定規模以上の事業場においては総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者及び産業医の選任が義務付けられています(安衛法第10条等)。また、常時使用する労働者数が10人以上50人未満の事業場では、業種により安全衛生推進者又は衛生推進者を選任することが義務付けられています(安衛法第12条の2)。会社は、これらの者に、事業場の安全衛生に関する事項を管理させなければなりません。

 事業者は、一般健康診断を1年に1回(深夜労働その他労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第13条第1項第2号で定める業務に従事する者は6か月ごとに1回)定期的に実施しなければなりません(安衛法第66条第1項)。また、事業者には、一般健康診断の結果は、各労働者に通知することが義務付けられています(安衛法第66条の6)。なお、健康診断の費用については、法で事業者に健康診断の実施を課している以上、当然、事業者が負担しなければなりません。

粉じんや有機溶剤を取り扱う等有害な業務に従事する労働者には、一般健康診断のほかに特殊健康診断の実施が必要です(安衛法第66条第2項)。なお、特殊健康診断を行わなければならない有害業務については、有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)等労働安全衛生関係規則で定められています。

労働者が採用前3か月以内に健康診断を実施し、その結果を証明する書類を提出した場合には、受診した項目について、採用時の健康診断を省略することができます。

定期健康診断は、常勤でフルタイムの労働者だけでなく、勤務時間の短いパートタイム労働者等であっても1年以上継続勤務しており1週間の所定労働時間が通常の労働者の所定労働時間数の4分の3以上の者にも実施しなければなりません。

事業者は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が、1か月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者について、その者の申出により医師による面接指導を行わなければなりません(安衛法第66条の8第1項)。また、時間外労働が一定時間を超えなくても、長時間の労働により、疲労の蓄積が認められ、又は健康上の不安を有している労働者に対しても同様に、その者の申出により面接指導又は面接指導に準ずる措置を講じるよう努めなければなりません(安衛法第66条の9)。なお、この面接指導の結果は、記録を作成し、5年間保存しなければならないとされています。

健康診断並びに面接指導の結果により作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じなければなりません(安衛法第66条の5等)。

個人情報保護法第18条において、「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を本人に通知し、又は公表しなければならない」とされています。

事業者は、労働者を雇い入れた時や作業内容を変更したときは、労働者に対し、従事する業務に必要な安全及び衛生に関する教育を行わなければなりません(安衛法第59条)。なお、安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間と解されますので、当該教育が法定労働時間外に行われた場合には、当然、割増賃金の支払が必要になります。

業務災害により休業する場合の最初の3日間は、労災保険からの休業補償給付が行われないので、事業主は、労基法に基づいて平均賃金の60%以上の休業補償を行う必要があります。

国の直営事業及び官公署の事業(労基法別表第1に掲げる事業を除きます。)を除き、労働者を使用するすべての会社は、労災保険に加入しなければなりません(ただし、労働者数5人未満の個人経営の農林水産の事業(業務災害の発生のおそれが多いものとして厚生労働大臣が定めるものを除きます。)については、任意適用となっています。)。

労災保険の適用事業場の労働者であれば、パートタイム労働者や臨時社員等、名称及び雇用形態にかかわらず、すべて労災保険が適用されます。

職業訓練について

注意点

職業訓練に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項に当たりますのでこれらの定めをする場合には、必ず就業規則に記載しなければなりません。

事業主が、労働者に対し教育訓練において性別を理由に差別的取扱いをすることは禁止されています(均等法第6条)。

表彰及び制裁について

規定項目

  • (表彰)
  • (懲戒の種類)
  • (懲戒の事由)

などを定めます。

注意点

表彰及び制裁について、その種類及び程度に関する事項は、就業規則の相対的必要記載事項に当たりますので、これらについて定めをする場合には、必ず就業規則に記載しなければなりません。

次の内容に注意しましょう。

懲戒処分の種類については、公序良俗に反しない範囲内で事業場ごと決めることも可能ですが、就業規則で、減給の制裁を定める場合において、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない(労基法第91条)こととされています。

労働者が、遅刻や早退をした場合、その時間については賃金債権が生じないため、その分の減給は労基法第91条の制限は受けません。しかし、遅刻や早退の時間に対する賃金額を超える減給は制裁とみなされ、労基法第91条に定める減給の制裁に関する規定の適用を受けます。

労働者を懲戒解雇として平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支給せずに即時に解雇する場合、あらかじめ所轄の労働基準監督署長に解雇予告除外認定の申請し、その認定を受けることが必要です(労基法第20条)。労働基準監督署長の認定を受けずに即時に解雇する場合には、解雇予告手当を支給しなければなりません。

懲戒処分については、最高裁判決(国鉄札幌運転区事件 最高裁第3小法廷判決昭和54年10月30日)において、使用者は規則や指示・命令に違反する労働者に対しては、「規則の定めるところ」により懲戒処分をなし得ると述べられています。したがって、就業規則に定めのない事由による懲戒処分は懲戒権の濫用と判断されることになります。

懲戒の事由の内容について、労基法上の制限はありません。しかし、契約法第15条において「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為を性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と定められており、懲戒事由に合理性がない場合、当該事由に基づいた懲戒処分は懲戒権の濫用と判断される場合があります。

懲戒処分の対象者に対しては、規律違反の程度に応じ、過去の同種事例における処分内容等を考慮して公正な処分を行う必要があります。裁判においては、使用者の行った懲戒処分が公正とは認められない場合には、当該懲戒処分について懲戒権の濫用として無効であると判断したものもあります。

就業規則に懲戒規定を設ける以前にした労働者の行為に対して、さかのぼって懲戒処分をすることや、1回の懲戒事由に該当する行為に対し複数回の懲戒処分を行うことはできません。

無期労働契約への転換について

平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が、同一の使用者との間で通算で5年を超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)へ転換します(労働契約法第18条)。

公益通報者保護について

近年、事業者内部からの通報(いわゆる内部告発)を契機として、国民生活の安心や安全を損なうような企業不祥事が相次いで明らかになりました。このため、 そうした法令違反行為を労働者が通報した場合、解雇等の不利益な取扱いから保護し、事業者のコンプライアンス(法令遵守)経営を強化するために、公益通報 者保護法が平成18年4月に施行されました。

参考サイト

モデル就業規則について |厚生労働省

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