消滅時効とは

えんぴつ付きのノートアイコン一定期間権利が行使されない場合にその権利を消滅させる制度です。

権利は行使されるべきであり、ほっておいたものは保護しないという観点、長い間行使されないのであれば行使しないだろうというように考えるのが自然という観点、時間がたてば証明が困難になるので保護できないという観点からの制度だと考えられています。

ただ、注意しなければならないのは、期間が経過したからといって無条件に債務が消える訳ではありません。

時効の援用が必要と考えられています。

当事務所の内容証明作成

当事務所では時効援用に関する内容証明の作成及び発送を17,500円(税込)で行っています。

業務案内についてはこちらを参照してください。

内容証明作成業務案内

tabutton

umisora76@gmail.com

 

消滅時効期間(期間は様々異なります)

法律で細かく規定されていますが、主だったものを列挙しておきます。

貸金について

商人の貸金

返済期日が決まっているものは、その期日から5年
返済期日が決まっていないものは、貸した日から5年

銀行などからの貸金

貸付金支払日から5年

貸金の利息や遅延損害金

利息は貸付日から5年 遅延損害金は、支払期日から5年

個人間の貸金

返済期日が決まっているものは、その期日から10年
返済期日が決まっていないものは、貸した日から10年

不当利得返還請求

返還請求権の発生日から10年

商売上の債権

請求できる日から2年のもの

品物の売掛金
塾や習い事の月謝

請求できる日から1年のもの

大工、左官、植木等の手間料
タクシー、引越トラック代、貨物運送費等
料理店、キャバレー等の飲食代金
ホテル等の宿泊代金、飲食代金
機械リース代
レンタルサービス

労働債権

労働者(ホステス、パート、アルバイトを含む)の給料請求
給料日から2年

残業代・解雇予告手当てなど
請求できる日から2年

退職金
退職日から5年

会社役員の報酬
請求できる日から5年

不当利得返還請求
返還請求権の発生日から10年

工事請負代金

3年

短期払いの賃金(労基法の適用外賃金)
1年

土地建物賃貸借

家賃・地代
支払期日から5年

敷金・保証金の返還請求
10年

損害賠償請求など

不法行為(交通事故・不倫・傷害・器物破損)
被害者または法定代理人が損害および、加害者を知ったときから3年。不法行為の事実があったときから、20年以内

債務不履行(安全配慮義務)
10年

慰謝料
3年

瑕疵担保責任(損害賠償請求)

請負工事
引渡し・仕事終了時から1年

土地工作物
5年 (瑕疵が原因で滅失した場合は滅失時より1年)

特に強固な土地工作物
10年(瑕疵が原因で滅失した場合は滅失時より1年)

時効の援用(何もせずに時効の利益を得ることができるわけではありません)

消滅時効期間が経過しただけで債務を消滅させるかという点については考え方が分かれますが、現行法上では援用が必要となっています。

援用は簡単に言えば「私は時効の権利を受けます。債務を支払いません。」と宣言することです。

援用の方法

原則はどのような方法でもかまいません。

口頭でも書面でも裁判上でもいいです。

ただ実際のところは、きちんと証拠になるように内容証明で作成する場合が多いです。

内容証明を配達証明付きで送付します。

内容証明の作成発送の代行は当事務所でも17,500円で行っていますのでご利用ください。

時効の援用に関する内容証明

消滅時効の中断

消滅時効の中断が認められると、進行していた時効期間がもとに戻ります。

例えば消滅時効期間が5年の債務で、3年経過した時に中断すれば、さらにあと5年経過する必要があります。

中断となる原因がなくなってからあと2年たてば消滅時効期間が経過したと考えるわけではありません。

時効中断の原因は限定されています

消滅時効の中断にあたる事由は、法律で限定されています。

民法147条であげられている

  1. 請求
  2. 差押え・仮差押え又は仮処分
  3. 承認

です。

個々に見ていきます。

請求

これは、単純に手紙などで請求する場合を含みません。

この請求が意味するのは裁判上の請求(民法149)、支払督促の申立(民法150条)、和解及び調停の申立(民法151条)です。

イメージとしては裁判所を通じて支払いを求められた場合は中断すると思っておくといいかと思います。

(正確には取り下げられた場合などは中断しないので違ってきますが、一応のイメージとしてはそのように理解しておいていただいてかまいません。)

差押え・仮差押え又は仮処分

債権者が債務者の財産に対して、差押え・仮差押え又は仮処分を行った場合です。

これも請求と同様裁判所を通じた手続きということで理解しておかれるといいかと思います。

たとえば、土地建物に抵当権を付けて借金をした場合に返済できず抵当権が実行されてしまったような場合、競売申立ての時点で消滅時効が中断します。

債務の承認

請求と差し押さえは債権者側の行為でしたが、これは債務者側の行為です。

時効期間中に債務を承認した場合は、承認した時から再度時効期間の計算をします。

承認とは、債務があると認めることもそうなのですが、一部を弁済することも承認にあたります。

また、弁済期を遅らせてくださいと頼むことも承認にあたります。(債務があることを認めていることが前提になってしまうためです。)

時効期間が経過してしまった後に知らずに支払ったら?

この場合、時効期間が経過しているのだから時効を援用して支払わなくてもよかったので、承認の意図があったとは推定できません。

ただ、債権者側としては一部を弁済してくれたのだからこの人は時効の援用をしないのだな、きちんと全額支払ってくれるのだなと期待するのが通常であり、そのような期待は保護されることになります。

それによって承認したのと同じような効果が生じてしまいます。

法律的には承認ではない(信義則上援用できない)のですが、法律構成はさておき、時効期間経過後でも一部支払ってしまえば時効の援用をして支払いを免れることはできないということになります。

裁判外の請求について(催告)

請求のところで、時効で規定されている請求は裁判上の請求を意味すると説明しました。

では、裁判外で請求した場合はどうなるのでしょうか。

この場合は、法律上「催告」と扱われます。

催告がされた場合は、催告後6ヶ月以内に請求がされれば時効中断の効力が生じます。

結局は請求をするのだから意味がないように思われるかもしれませんが、例えば消滅時効期間が5年間の債務があった場合に、期間経過が直前に迫っている時に裁判を準備するような時間が無い時に催告をすることによって、時効期間の経過を実質6ヶ月間伸ばすことができることにメリットがあります。

ただ、催告を連続して行って時効期間を延々と長期化していくことは認められていません。

裁判されてしまったら?

裁判上の請求があれば時効は中断します。

その後判決が出た場合はどうなるでしょうか。

法律に定めがあり、判決が確定した時から(民法157条2項)10年(民法174条の2)の消滅時効期間となります。

債権譲渡された場合に時効が中断しますか?

債権譲渡は時効中断事由にあたりませんので時効は中断しません。

最近は債権譲渡が多いように思います。

連帯保証と時効の問題について

実際に問題となる場合が多いものとして連帯保証と時効が問題になります。

出来るだけ分かりやすく具体例とその結論を中心に書いていこうと思います。

主債務者に裁判上で請求して中断した場合

主債務も保証債務も中断します。

新たな時効期間の経過を待つことになります。

連帯保証人に裁判上で請求して中断した場合

主債務も保証債務も中断します。

新たな時効期間の経過を待つことになります。

主債務者が一部を支払うなど承認し中断した場合

主債務も保証債務も中断します。

新たな時効期間の経過を待つことになります。

連帯保証人が一部を支払うなど承認し中断した場合

保証債務のみ中断します。

主債務者の時効は中断しません。

時効期間が経過した後に主債務者が一部を支払った場合

主債務者のみ時効の援用ができません。

これは相対効ですので、連帯保証人は主債務及び連帯保証債務の時効の援用をすることで支払いを免れることができます。

時効期間が経過した後に連帯保証人が一部を支払った場合

連帯保証人のみ時効の援用ができません。

これは相対効ですので、主債務者は主債務の時効の援用をすることで支払いを免れることができます。

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