著作権契約書作成前に理解しておくべき10の基礎知識

1 理論的には契約書を作成する前にも契約は成立しうる

契約は意思表示の合致で成立するのが原則です。

そのため、契約書をかわしていなくても申込みと承諾が合致したと判断されれば契約を成立します。

契約書を作成し署名押印するのが難しいような場合には、申込みと承諾が合致していると判断できるようにメールをかわすということも最近多く見られます。

2 法律に定めのない事項が決められる

法律には特に定めのない著作権の使用についての使用者や主要地域さらに試用期間などの期限を与えたりすることも可能で、規定されれば当然に効力を持ち、守らなければならないことになります。

3 法律に反する規定も強行法規に反しない限り定められる

プログラムの改変権を完全に否定する(著作権法47条の2の否定)、実演家に対し二次的利用時に使用料を支払う(著作権法91条2項の否定)なども効力を有します。

ただし強行規定に反しない限りという制限つきです。

例えば著作者人格権を譲渡するなどの規定については無効となります。

契約自体が無効になる場合もあります。

ラルフローレン事件と言われるものですが、商標法と不正競争防止法に反した商品の売買契約自体を無効として売買代金の請求を認めなかったものがあります。

  • 独占禁止法
  • 消費者契約法
  • 労働基準法
  • 利息制限法
  • 下請法

などは強行法規が多いので、作成の際には気をつけるといいでしょう。

4 錯誤無効について

契約書の中で問題となっている著作権を相手が実際に有していなかった場合に、錯誤無効として契約を無効にすることができるかということが争われた事件があります。

これについては否定された事件もあり、その要旨は、著作権を相手が有していることがその契約の中においてどれだけ重要性を占めているかということに影響されていると言えます。

相手が著作権を有していることを前提としたいのであれば、少なくともそのことを契約書に明記し、相手にその内容を保証させるといった項目を設けておくといいでしょう。

5 著作権には様々な支分権がある

著作権は、複製権、上映権演奏権、上映権など様々な支分権から構成されています。

全体について譲渡することもできれば、一部の権利について譲渡することも可能です。

そのため、契約の対象が何の権利なのかということを必ず明記するようにしましょう。

6 著作権と所有権は別

文字通り著作権と所有権は全く別の権利として取り扱われます。

著作権を譲渡したとしても所有権が移転しない場合もあれば、所有権の移転したとしても著作権が移転しない場合もあります。

7 業務委託と著作権

著作物を製作する業務委託を受けた場合に、製作された著作物の著作権がどちらに帰属するかについて法律上定めがあるわけではありません。

必ず契約書内に別の規定を設けてきちんと定めるようにしてください。

8 一部譲渡する場合の問題

著作権の一部を譲渡すると通常はその著作権について共有の著作権となります。

この場合その著作権の使用が一部の著作権の意思では決定できないことになりえます。

資金調達などの目的のために一部譲渡を利用される方が増えていますが、メリットデメリットを事前に検討されるほうがいいです。

9 翻案権などおよび二次的著作物について

著作権法27条と28条に規定されている権利は、譲渡契約書に特別に明記されなければ、著作権の譲渡に付随して譲渡されるという事はありません。

付随付随させるか付随させないかということをきちんと考えて契約を締結する必要があります。

10 出版権の設定について

出版権は、出版社からみると一定期間、著作権から著作物の複製権を取り上げ、書籍としての財産的な支配を可能とする権利です。

そのため、一度出版権を設定すると出版権者の許可がなければ複製権著作権者自らも複製を行うことができなくなります。

この点を誤解している著作権者が多いので、誤解のないように契約書内であらかじめ説明しておくことも有意義かと思います。

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